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CCNAとLPIC、ネットワークとサーバーどちらから学ぶべきか

ネットワーク・サーバーの学習を始めようとすると、必ずといっていいほど候補に挙がるのがCCNA(Cisco Certified Network Associate)とLPIC(Linux技術者認定試験)です。どちらもベンダー系の実務資格として知名度が高く、未経験からインフラエンジニアを目指す人が最初にどちらを取るか迷う場面が多くあります。この記事では、両者の位置づけ、レベル構成、費用や有効期限の違いを整理し、目指す職種に応じた選び方の軸をまとめます。

CCNAとLPICがよく比較される理由

CCNAはネットワーク機器のルーティングやスイッチングを扱う技術を証明する資格、LPICはLinuxサーバーの構築・運用スキルを証明する資格です。対象領域は異なりますが、どちらも特定メーカー・特定OSに関する実務知識をベンダー自身または業界団体が認定する仕組みである点は共通しています。インフラエンジニアの仕事はネットワークとサーバーの両方にまたがることが多いため、どちらを先に学ぶかという入口の選択として、この2つが並べて語られやすくなっています。

CCNAとは Ciscoが認定するネットワーク技術者資格

CCNAは、ネットワーク機器最大手のCisco Systems, Inc.が実施する認定資格です。Ciscoの認定制度は難易度順に、Entry(CCST)、Associate(CCNA)、Professional(CCNP)、Expert(CCIE)という階層になっており、CCNAはAssociateレベルの入門認定という位置づけです。受験に前提条件はなく、実務未経験でも挑戦できます。

現行のコア試験は「200-301 CCNA」で、ルーティングとスイッチングの基礎に加えて、IPサービス、セキュリティ基礎、自動化とプログラマビリティなど幅広い領域が1本の試験に統合されています。Ciscoの製品体系はEnterprise、Security、Data Center、Collaborationなど専門分野ごとに分かれていますが、CCNAはその手前にある共通の土台という扱いです。上位のCCNPになって初めて、Enterprise・Security・Data Centerなどの専門トラックに分岐します。

受験料は200-301 CCNA試験で300米ドルです。有効期限は認定日から3年間で、期限が近づくとContinuing Education(CE)クレジットの取得または再受験によって更新する仕組みになっています。

CCNAは有効期限が3年と短めです。更新の手続きをしないまま期限を過ぎると認定は失効し、再び取得するには試験の再受験が必要になります。転職活動や案件で提示する予定がある場合は、有効期限を必ず確認してください。

LPICとは Linuxサーバーの技術者認定試験

LPICは、Linux Professional Institute(LPI)が実施するベンダーニュートラルなLinux技術者認定です。特定のディストリビューションに偏らず、Linuxサーバーの構築・運用に関する共通の知識を問う点が特徴で、レベルはLPIC-1、LPIC-2、LPIC-3の3段階に分かれています。

レベル 構成 主な内容
LPIC-1 101試験・102試験 Linuxサーバーの基本操作、コマンド、ファイルシステム、基本的なネットワーク設定
LPIC-2 201試験・202試験 サーバー構築・保守、ネットワーククライアント管理、システムのトラブルシューティング
LPIC-3 300/303/305/306の専門分野から選択 混合環境、セキュリティ、仮想化とコンテナ化、高可用性とストレージクラスタなど専門領域

LPIC-1・LPIC-2はそれぞれ2つの試験に合格して初めて認定される点に注意が必要です。受験料は、LPIC-1が101・102それぞれ15,000円(合計30,000円)、LPIC-2が201・202それぞれ18,000円(合計36,000円)、LPIC-3は専門分野ごとに1試験18,000円です。LPIC-3の受験にはLPIC-2の取得が前提条件になります。

有効期限については、認定そのものが失効するわけではありませんが、認定日から5年間の「有意性の期限」が設定されており、期限内に同レベルの再受験、上位レベルの合格、新たな上位レベルの取得のいずれかを行わないと、認定ステータスがACTIVEからINACTIVEに切り替わります。実務上は5年ごとの更新が必要な資格として扱われている点で、CCNAと似た仕組みです。

なお、日本ではLinuxの認定試験として「LinuC(リナック)」という名称も見かけます。これはLPI-Japanが2018年に独自に開発・提供を始めた別の認定制度で、現在のLPICはLPI(本部カナダ)の日本拠点が運営しています。両者は元は同じ試験でしたが、現在は別団体が運営する別の資格である点を押さえておくと、情報収集の際に混同せずに済みます。

CCNAとLPICの比較表

CCNA LPIC(LPIC-1を例に)
対象領域 ネットワーク機器のルーティング・スイッチング、ネットワーク運用全般 Linuxサーバーの構築・運用・基本的なネットワーク設定
実施団体 Cisco Systems, Inc. Linux Professional Institute(LPI)
受験資格 制限なし 制限なし
費用の目安 200-301試験 300米ドル 101・102試験 合計30,000円
有効期限 3年(更新にはCEクレジットまたは再受験) 5年の有意性期限(再受験等で更新)
難易度の目安 ネットワーク未経験者にはIPアドレスやルーティングの概念理解が最初の壁 Linux未経験者にはコマンド操作とファイルシステムの基礎理解が最初の壁
転職での評価され方 ネットワークエンジニア・インフラエンジニア求人で「基礎知識の証明」として評価されやすい サーバーエンジニア・インフラエンジニア求人で「Linux運用の基礎知識の証明」として評価されやすい

合格率や受験者数などの数値は両団体とも定期的に公表しているものではなく、時期によって変動するため、この記事では取り上げていません。最新の傾向を知りたい場合は、Cisco公式サイトおよびLPI公式サイトの案内を確認してください。

どちらを選ぶべきか 目指す職種で考える判断軸

迷ったときは、資格そのものの難易度ではなく、将来どのポジションを目指すかで選ぶのが基本です。

  • ネットワーク機器の設定・保守、ネットワークの設計補助といった仕事を目指すなら、CCNAが直接的に役立ちます。ルーターやスイッチを扱う現場では、CCNAで学ぶ内容がそのまま業務の基礎になります。
  • Webサーバーやアプリケーションサーバーの構築・運用、クラウド基盤の運用保守を目指すなら、LPICが実務に近い内容です。多くのクラウド環境はLinuxベースで動いているため、コマンド操作の基礎はどの現場でも共通して使えます。
  • インフラエンジニアとして両方の領域を扱いたい場合は、どちらか一方をまず取得し、実務で不足を感じた領域をもう一方で補う進め方が現実的です。未経験からIT・インフラエンジニアへの転職を考えている場合は、応募したい求人でどちらの技術がより多く求められているかを先に確認しておくと、学習の優先順位が決めやすくなります。

すでにサーバーかネットワークどちらかの実務経験がある人は、経験がある領域と逆側の資格を取ることで、対応できる業務の幅を広げる選び方もあります。

基本情報技術者・応用情報技術者との違い

CCNAやLPICとあわせて検討されることが多いのが、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験といった国家資格です。両者の違いは、実施主体と評価される範囲にあります。

CCNA・LPIC 基本情報・応用情報技術者
実施主体 民間企業・業界団体(ベンダー資格) 情報処理推進機構(IPA)による国家試験
対象範囲 特定の技術領域(ネットワーク機器・Linuxサーバー)の実務スキル プログラミング、ネットワーク、セキュリティ、経営など幅広いIT知識
有効期限 あり(CCNAは3年、LPICは5年の有意性期限) なし(合格は生涯有効)

基本情報・応用情報は「IT全般の基礎体力」を証明する国家資格で、更新の必要がなく一度合格すれば経歴として残り続けます。一方でCCNAやLPICは、特定分野における実務直結のスキルを証明する代わりに、技術の変化に合わせた更新が前提になっています。ネットワークスペシャリスト試験やデータベーススペシャリスト試験のような高度区分の国家資格も有効期限がなく、この点はCCNA・LPICとの大きな違いです。どちらか一方を選ぶ必要はなく、国家資格で基礎を固めつつ、就きたい仕事に直結するベンダー資格を組み合わせる進め方が一般的です。デジタル庁とIT国家資格の関係のように、国全体でIT人材の資格制度が見直されている流れも押さえておくと、今後の資格選びの参考になります。

よくある質問

CCNAとLPIC、どちらから勉強を始めるべきですか。

目指す職種で決めるのが基本です。ネットワークエンジニアを目指すならCCNA、サーバーやクラウド基盤の運用を目指すならLPICから始めるのが自然です。どちらも目指す職種が定まっていない場合は、求人票で求められている技術を先に確認する方法もあります。

両方の資格を取得する必要はありますか。

必須ではありません。ただしインフラエンジニアとしてネットワークとサーバーの両方を扱う立場を目指す場合、両方を段階的に取得することで対応できる業務の幅が広がります。

CCNAに前提資格は必要ですか。

ありません。実務未経験でも受験できますが、IPアドレスやOSI参照モデルなどの基礎知識を先に学んでおくと理解が進みやすくなります。

LPICはLPIC-1から順番に受けないといけませんか。

公式にはLPIC-2やLPIC-3から先に受験することも可能ですが、LPIC-3の認定にはLPIC-2の取得が前提条件になります。学習内容は積み上げ式のため、実務経験がない場合はLPIC-1から順に進めるのが現実的です。

資格の有効期限が切れるとどうなりますか。

CCNAは3年、LPICは5年の有意性期限を過ぎると、認定のステータスが失効・非アクティブになります。再度証明するには、対象の試験に合格し直す必要があります。転職や案件提示のタイミングでは、取得時期と有効期限を確認しておくことが重要です。

LPICとLinuCはどちらを取ればよいですか。

国内の求人でどちらが求められているかによります。LPICは国際的に通用するLinux Professional Institute(LPI)の認定、LinuCはLPI-Japanが日本市場向けに独自開発した認定で、現在は別団体が運営する別の資格です。海外の求人や外資系企業を視野に入れるならLPIC、国内向けの学習リソースの多さを重視するならLinuCも選択肢になります。

基本情報技術者を持っていればCCNAやLPICの学習は楽になりますか。

ネットワークやOSに関する基礎用語の理解がある分、学習の入り口はスムーズになります。ただしCCNAやLPICは実機・実環境の操作を問う実務寄りの内容が中心のため、知識だけでなく手を動かした経験が合否を分けます。

未経験からでもCCNAやLPICは取得できますか。

可能です。どちらも受験資格に制限はありません。ただし出題内容は実務を前提にしているため、独学の場合は仮想環境やシミュレータで実際に操作しながら学習を進めると理解が定着しやすくなります。

まとめ

CCNAはCiscoが実施するネットワーク機器の運用スキルを証明する資格、LPICはLPIが実施するLinuxサーバーの運用スキルを証明する資格です。CCNAは3年、LPICは5年の有意性期限があり、いずれも取得して終わりではなく、実務で使い続けることを前提にした更新型の資格という共通点があります。どちらを先に学ぶべきかは、目指す職種がネットワーク寄りかサーバー寄りかで判断するのが基本で、インフラエンジニアとして両方を扱いたい場合は段階的に両方の取得を目指す進め方が現実的です。基本情報技術者・応用情報技術者のような国家資格とは、有効期限の有無や評価される範囲が異なるため、あわせて検討する際はこの違いを踏まえて優先順位を決めてください。

この記事の資格制度に関する内容は、Cisco公式サイト(cisco.com)およびLPI公式サイト(lpi.org)、LPI-Japan公式サイト(lpicj.org)の案内をもとに2026年9月に整理したものです。受験料・有効期限・試験構成は変更される場合があるため、受験の前に必ず各公式サイトの最新情報を確認してください。

この記事の集計方針や出典の扱いについては、運営者情報ページにまとめています。

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