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働きながら資格を取る学習時間の作り方 総時間を期間に変換して設計する

働きながら資格を取ろうとするとき、最大の障害は難易度ではなく時間です。教材を買っても開かない日が続き、いつのまにか受験を見送る。よくある流れですが、原因の多くは意志の弱さではなく、最初に時間の設計をしていないことにあります。この記事では、資格倉庫の記事から学習時間の目安を集め、それを実際のスケジュールに落とし込む方法を整理します。

この記事の調べ方

資格倉庫の公開記事から、学習時間の目安に言及している記述を抽出し、資格ごとに整理しました。数値はいずれも一般的に語られる目安で、前提知識や学習方法によって幅があります。あわせて、総務省の統計で働く人の実際の学習時間も確かめています。ここでは正確な予測ではなく、計画を立てるための出発点として使います。

資格別の学習時間の目安

資格 学習時間の目安
MOS(一般レベル) 20〜40時間程度
秘書検定2級 20〜60時間程度
危険物取扱者 乙種第4類 40〜60時間程度
衛生管理者 第二種 60〜100時間程度
第三種冷凍機械責任者 60〜100時間程度(独学で2科目の場合。講習ルートは法令1科目に絞れるため、その半分程度のこともある)
簿記3級 50〜100時間程度
簿記2級 200〜350時間程度
登録販売者 250〜400時間程度
宅地建物取引士 300〜400時間程度
行政書士 500〜1,000時間程度
電験三種 500〜800時間程度(電気の基礎がある場合)

この表の使い方は単純です。目安の上限のほうを採用してください。下限で計画すると、想定外の忙しさが一度来ただけで破綻します。

学習時間の目安の上限で見た資格の位置(棒の長さは上限時間の比)
MOS(一般)

40時間

秘書検定2級

60時間

危険物 乙4

60時間

衛生管理者 第二種

100時間

簿記3級

100時間

簿記2級

350時間

登録販売者

400時間

宅地建物取引士

400時間

電験三種

800時間

行政書士

1,000時間

計画は上限で立てる。行政書士を1日1時間で進めると2年以上かかる計算になる。
図 資格別の学習時間の上限比較(出典: 本記事の集計)

総時間を期間に変換する

学習時間を「1日あたり何時間で、何か月かかるか」に換算すると、計画が具体的になります。

必要な総時間 1日1時間 1日2時間 1日3時間
60時間 約2か月 約1か月 約3週間
100時間 約3.5か月 約1.7か月 約1.1か月
200時間 約7か月 約3.5か月 約2.2か月
400時間 約13か月 約7か月 約4.5か月
800時間 約26か月 約13か月 約9か月

ここで多くの人が現実に直面します。行政書士を1日1時間で目指すと、2年以上かかる計算になります。この数字を見てから、1日の時間を増やすのか、目標を変えるのか、期間を受け入れるのかを決めることになります。

最初にこの計算をしないまま始めると、半年たっても終わりが見えないという状態になり、そこで学習が止まります。見通しがないことが、挫折の最大の原因です。

働く人の学習時間は実際どれくらいか(総務省の統計)

ここまでの計画が現実的かどうかを、国の統計と比べてみます。総務省統計局の令和3年社会生活基本調査では、仕事や学校とは別に、自由時間の中で行う「学習・自己啓発・訓練」について調べています。対象は10歳以上です。

この学習を1年間に一度でも行った人の割合(行動者率)は39.6%でした。5年前より2.7ポイント上がっています。働く世代の年齢別の数字は次のとおりです。

年齢 行動者率(2021年)
25〜29歳 49.6%
30〜34歳 47.3%
35〜39歳 45.4%
40〜44歳 39.9%
45〜49歳 38.1%
50〜54歳 38.8%
55〜59歳 39.0%
60〜64歳 36.7%

1日あたりの時間を見ると、10歳以上の週全体の平均は13分で、2016年から変わっていません。働いている人(有業者)の平日に絞ると、テレワークをした日としなかった日で差が出ます。

有業者の平日 テレワーク(在宅勤務)をした日 テレワーク以外の日
総数 10分 4分
25〜34歳 15分 4分
35〜44歳 10分 3分
45〜54歳 6分 3分

学んでいる中身は、男性では「パソコンなどの情報処理」が20.1%で最も高く、「英語」13.5%、「人文・社会・自然科学」11.9%、「商業実務・ビジネス関係」11.5%と続きます。女性は「家政・家事」17.7%が最も高く、次が「パソコンなどの情報処理」13.0%です。情報処理や商業実務・ビジネス関係では、目的として「現在の仕事に役立てるため」が最も多くなっています。

ここからは当サイトの計算・読み取りです。表の時間は、学習をしなかった人も含めた平均で、学習した人だけの時間ではありません。そのうえでテレワーク以外の平日4分を5日分足すと、週20分ほどになります。この記事で例に挙げた「1日1時間」や「週14時間」は、平均よりはるかに多い時間です。

朝30分早く起きる、通勤の細切れを使うといった方法で生まれる時間も、平均をかなり上回ります。こうした時間は自然に空くものではなく、計画を立てて取りにいかないと確保しにくい時間だと読めます。

数字を見るときの注意点もあります。どれも平均値なので、個人差は表に出ません。「学習・自己啓発・訓練」には資格以外の学びも含まれ、資格の勉強に限った時間は公表されていません。職場の研修と、学生の授業・予習・復習も含まれていません。また、調査時期は2021年10月(1年間の行動は2020年10月20日〜2021年10月19日)で、新型コロナウイルスの影響を受けた時期の結果です。

1日ではなく週で管理する

毎日同じ時間を確保できる社会人は多くありません。急な残業も、体調不良も、家族の予定もあります。

そこで、1日単位ではなく週単位で目標を立てます。「1日2時間」ではなく「週14時間」とすれば、平日に取れなかったぶんを週末に回せます。1日できなかったことが失敗にならないため、立て直しが利きます。

管理の単位 できなかった日の影響
1日単位 その日が失敗になる。連続で崩れると計画そのものを諦めやすい
1週単位 他の曜日で取り返せる。週末に調整する前提で組める

週の合計が足りているかだけを見て、日ごとの変動は気にしない。この運用のほうが、長い期間を走り切れます。

時間はどこから捻出するか

新しく時間を作るのではなく、すでにある時間の使い道を変えるという発想が現実的です。

時間帯 向いている学習
朝(出勤前) 集中を要する新しい単元のインプット、計算問題
通勤中 暗記、一問一答、音声教材。細切れでも進む内容
昼休み 前日にやった範囲の復習。15分でも記憶の定着に効く
帰宅後 過去問演習。ただし疲労で質が落ちやすいので量より継続
週末 まとまった時間が要る本試験形式の演習、遅れの回収

とくに効果が大きいのが朝の時間です。夜は仕事の状況に左右されますが、朝は自分でコントロールできます。30分早く起きるだけで、週に3.5時間、3か月で40時間を超えます。これは危険物取扱者乙4の学習時間の目安に届く量です。

また、通勤中の細切れ時間を軽視しないでください。1日往復1時間を暗記に充てれば、月に20時間になります。まとまった時間だけを学習と考えると、この分がまるごと失われます。

挫折の3パターンと対処

1 完璧に理解しようとして進まない

最初のテキストを丁寧に読み込みすぎて、後半に到達しないまま試験日が来るパターンです。1周目は分からないところを飛ばして最後まで行くほうが結果的に早くなります。全体の構造が見えてから戻ると、理解の速度が上がります。

2 インプットばかりで問題を解かない

テキストを読む時間は学習した実感が得られますが、得点力に直結するのは演習です。目安として、学習時間の半分以上を問題演習に充てる配分を意識してください。過去問がある試験なら、早い段階で一度解いて、出題の形を知っておくことが効きます。

3 中断した後に再開できない

1週間空くと、どこまでやったか分からなくなって戻りにくくなります。対策は記録です。学習した日と内容、次にやることを一行だけ残しておく。再開のときに考える必要がなくなり、心理的な負担が下がります。

学習記録は一行でいい

記録というと大げさに聞こえますが、必要なのは次の3つだけです。

  • 日付と学習した時間
  • やった範囲(テキストのページ、問題番号)
  • 次にやること

これをノートでもスマートフォンのメモでも構わないので、一行で残します。3つ目の「次にやること」が最も重要です。再開するときに何をするか考えずに済むため、机に向かってから実際に始めるまでの時間がほぼゼロになります。

週の終わりに合計時間を確認し、目標に届いていなければ翌週で調整します。この作業は5分もかかりません。計画とのずれを月単位で気づくと修正が難しくなりますが、週単位なら間に合います。

受験日から逆算して決める

学習計画は、試験の実施回数によって組み方が変わります。

  • CBT方式で通年受験できる ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、簿記のネット試験など。準備が整った時点で申し込めるため、締め切りを自分で設定する必要があります
  • 年に複数回ある 危険物取扱者、衛生管理者など。1回目で届かなくても次があるので、まず受けてみる判断が取りやすくなります
  • 年1回しかない 宅建士、行政書士、電験三種、高度区分のIT試験など。逆算が必須で、直前期に演習時間を確保できるかが結果を左右します

受験機会の多い資格は、学習期間の設計が柔軟になります。忙しさが読めない時期に始めるなら、この観点で資格を選ぶのも一つの方法です。

先に受験を申し込んでしまう、という方法もあります。申込金を払うと引き返しにくくなり、締め切りが実在するものになります。受験料を「先払いした締め切り代」と考えるわけです。年1回の試験ではこの効果が特に大きくなります。

よくある質問

1日どれくらい勉強すればいいですか。

資格によります。総時間の目安を、受験日までの日数で割って出してください。逆に、確保できる時間から受験時期を決める方法もあります。どちらにしても、計算してから始めることが重要です。

まとまった時間が取れません。

細切れの時間で進む学習(暗記、一問一答)と、まとまった時間が要る学習(本試験形式の演習)を分けて配置してください。平日は前者、週末に後者という組み方が現実的です。

学習時間の目安より短く合格する人もいますか。

います。前提知識や関連する実務経験があれば大幅に短縮されます。目安はあくまで知識がない状態からの数値なので、自分の状況に合わせて調整してください。

何時間やったかを記録する意味はありますか。

あります。計画とのずれが早く分かることと、中断からの再開がしやすくなることが理由です。時間だけでなく、次にやることを一行書いておくとさらに効果があります。

複数の資格を並行して勉強してもいいですか。

おすすめしません。総時間が分散して、どちらも中途半端になりやすくなります。ダブルライセンスを目指す場合も、順番に取るほうが確実です。

通信講座を使うと時間は短縮できますか。

教材選びと学習順序を考える時間は減ります。ただし理解と演習にかかる時間は変わりません。費用に見合うかは、独学でつまずきそうな科目があるかで判断してください。

途中で挫折しそうになったらどうすればいいですか。

目標を下げるより、期間を延ばすほうが立て直しやすくなります。週の目標時間を減らして継続を優先し、受験時期を次の回にずらす。学習をゼロにしないことが一番の対策です。

まとめ

働きながら資格を取るときに最初にやるべきことは、テキストを買うことではなく、総時間を計算して期間に変換することです。行政書士なら1日1時間で2年以上かかると分かれば、そのうえで判断できます。

管理は1日ではなく週単位にしてください。できない日があっても計画が壊れないため、長く走れます。

時間は、新しく作るのではなく使い道を変えて捻出します。朝の30分と通勤時間だけで、月に20時間以上が生まれます。

この記事の学習時間の目安は、資格倉庫の公開記事から抽出したものです。数値はいずれも一般的に語られる目安であり、前提知識や学習方法によって変わります。実際の計画は、自分の状況に合わせて調整してください。

この記事の集計方針や出典の扱いについては、運営者情報ページにまとめています。

出典

統計の節の数値は「令和3年社会生活基本調査結果」(総務省統計局)を加工して作成しています。

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