マンホール、貯水槽、下水道、タンク内部など、密閉された空間での作業では、酸素欠乏症や硫化水素中毒による労働災害のリスクがあります。厚生労働省によると、2025年に起きた硫化水素中毒の労働災害は5件で、被災した10人のうち7人が亡くなりました。こうした作業を行う事業場には「酸素欠乏危険作業主任者」の選任義務があり、扱う作業によって「第1種」「第2種」で必要な資格が異なる点が特徴です。この記事では、選任義務の根拠法令、第1種・第2種の違い、技能講習の内容、受講料、特別教育との違い、厚生労働省が毎年公表している災害件数まで、公開されている一次情報にもとづいて整理します。
酸素欠乏危険作業主任者とは
酸素欠乏危険作業主任者は、酸素欠乏症や硫化水素中毒のおそれがある場所での作業において、労働者への健康障害を防ぐために現場を指揮・監督する資格者です。根拠法令は酸素欠乏症等防止規則(酸欠則)で、第11条は、事業者が酸素欠乏危険作業について、技能講習修了者のうちから酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならないと定めています。選任すべき講習の種類は、対象作業が第1種か第2種かによって異なります。
酸欠則第2条では、酸素欠乏を「空気中の酸素の濃度が18%未満である状態」、硫化水素中毒の基準となる状態を「空気中の硫化水素の濃度が百万分の十を超える状態」としています。対象となる場所は労働安全衛生法施行令(令)第6条第21号と令別表第六に列挙されています。
第1種・第2種の違い
酸欠則は、危険の種類によって作業を2区分しています(第2条第7号・第8号)。
| 区分 | 危険の内容 | 代表的な作業場所(令別表第六) |
|---|---|---|
| 第1種酸素欠乏危険作業 | 酸素欠乏(酸素濃度18%未満)のおそれ(第2種以外の作業) | 第一号〜第三号の二、第四号〜第八号、第十号、第十一号の場所。井戸、竪坑、ずい道、ピットのほか、ケーブル等を収容する暗きょ・マンホール(第三号)、相当期間密閉されていた鋼製のボイラー・タンク・反応塔・船倉(第四号)、穀物・飼料の貯蔵や果菜の熟成・きのこ栽培のサイロ・むろ・倉庫(第七号)、しようゆ・酒類・もろみ等の発酵タンク・醸造槽(第八号)、ドライアイスを使用する冷蔵庫・冷凍コンテナ(第十号)、不活性の気体を入れてあるタンク等(第十一号) |
| 第2種酸素欠乏危険作業 | 酸素欠乏に加え、硫化水素中毒(濃度が百万分の十を超える状態)のおそれ | 第三号の三、第九号、第十二号の場所。海水が滞留した熱交換器・管・暗きょ・マンホール・溝・ピット(第三号の三)、し尿・腐泥・汚水・パルプ液など腐敗・分解しやすい物質を入れたことのあるタンク・船倉・槽・管・暗きょ・マンホール・溝・ピットの内部(第九号)、硫化水素中毒のおそれのある場所として厚生労働大臣が定める場所(第十二号) |
令別表第六の原文では「トンネル」ではなく「ずい道」と表記されています。マンホールや暗きょは、ケーブル等を収容するものなら第1種(第三号)、海水が滞留したものや汚水などを入れたことのあるものなら第2種(第三号の三・第九号)というように、同じ名前の場所でも区分が分かれます。
選任できる技能講習も区分によって異なります。第1種は「酸素欠乏危険作業主任者技能講習」または「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習」のいずれかの修了者から選任できますが、第2種は「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習」の修了者からしか選任できません。第2種の講習は第1種の科目に硫化水素に関する内容が加わる構成で、第2種の講習を修了すれば両方の作業で主任者になれます。下水道工事など硫化水素の発生が想定される現場では、最初から第2種対応の講習を受けておくのが実務上は合理的です。
酸素欠乏危険作業主任者の職務(酸欠則第11条第2項・第3項)
酸欠則第11条第2項は、事業者が第1種酸素欠乏危険作業に係る作業主任者に行わせるべき職務を次のように定めています。
- 作業に従事する労働者が酸素欠乏の空気を吸入しないよう、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること
- その日の作業を開始する前、全労働者が作業場所を離れた後に再び作業を開始する前、および労働者の身体や換気装置等に異常があったときに、作業場所の空気中の酸素濃度(第2種の場合は硫化水素濃度もあわせて)を測定すること
- 測定器具、換気装置、空気呼吸器等、労働者が酸素欠乏症にかかることを防止するための器具・設備を点検すること
- 空気呼吸器等の使用状況を監視すること
第2種酸素欠乏危険作業の主任者の職務は、第3項で第2項を準用する形で定められています。準用にあたっては「酸素欠乏」を「酸素欠乏等」、「酸素」を「酸素及び硫化水素」、「酸素欠乏症」を「酸素欠乏症等」と読み替えます。
石綿作業主任者・有機溶剤作業主任者が「1か月を超えない期間ごと」の定期点検を職務とするのに対し、酸素欠乏危険作業主任者は作業の開始前・再開前・異常時という、作業のたびに行う濃度測定が職務の中心になっている点が特徴です。密閉空間の空気環境は短時間でも変化しうるため、より即時性の高い管理が求められます。
技能講習の内容(受講資格・科目・時間数)
酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者になるには、都道府県労働局長の登録を受けた登録教習機関が実施する技能講習を修了する必要があります。石綿・有機溶剤の作業主任者講習が学科のみで完結するのに対し、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習は学科に加えて実技講習があり、3日間にわたるのが一般的な点が大きな違いです。講習の科目と時間は「酸素欠乏危険作業主任者技能講習及び酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習規程」(昭和47年労働省告示第133号)で定められています。
第2種(酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習)の科目と時間
| 区分 | 科目 | 時間数 |
|---|---|---|
| 学科 | 酸素欠乏症・硫化水素中毒に関する知識 | 3時間 |
| 発生原因及び防止措置に関する知識 | 4時間 | |
| 保護具に関する知識 | 2時間 | |
| 関係法令 | 2時間30分 | |
| 学科試験 | 規程に時間の記載なし(機関の案内では1時間) | |
| 実技 | 救急蘇生法などの応急処置 | 2時間 |
| 酸素・硫化水素濃度の測定方法 | 2時間 | |
| 実技試験 | 規程に時間の記載なし(機関の案内では1時間) |
第1種(酸素欠乏危険作業主任者技能講習)の科目と時間
| 区分 | 科目 | 時間数 |
|---|---|---|
| 学科 | 酸素欠乏症及び救急そ生に関する知識 | 2時間 |
| 発生の原因及び防止措置に関する知識 | 3時間 | |
| 保護具に関する知識 | 2時間 | |
| 関係法令 | 2時間 | |
| 実技 | 救急そ生の方法 | 2時間 |
| 酸素の濃度の測定 | 1時間 |
第1種は学科9時間・実技3時間の計12時間(当サイトの合計)、第2種は学科11.5時間・実技4時間です。第2種は第1種より科目と時間が多く、硫化水素に関する科目が加わります。
規程の表には試験時間の記載はありません。修了試験(学科試験・実技試験)は規程で行うこととされており、香川労働基準協会、東京労働基準協会連合会、千葉県労働基準協会連合会の案内では学科・実技とも試験は各1時間です。規程の時間(学科11.5時間+実技4時間=15.5時間)に機関の運用の試験時間を加えて17.5時間前後になります(当サイトの整理)。日程は東京・愛知・栃木・千葉・建設業労働災害防止協会大阪府支部の案内で3日間ですが、香川労働基準協会は学科と実技を同日にまとめる2日間の講習を行っています。テキストと試験が日本語(漢字を含む)で実施される点も、受講にあたって確認しておきたいポイントです。
講習は、学科講習はおおむね100人以内、実技講習は10人以内を一単位として行うこととされています(規程第2条第3項。第2種は第5条第3項で同旨)。
第1種修了者が第2種を受ける場合の特例
第1種の技能講習を修了した人が第2種の技能講習を受ける場合は、規程第7条第1項の表により、硫化水素に関する部分だけを受講します。
| 区分 | 科目 | 時間数 |
|---|---|---|
| 学科 | 硫化水素中毒に関する知識 | 1時間 |
| 空気中の硫化水素の濃度が百万分の十を超える状態の発生の原因及び防止措置に関する知識 | 1時間 | |
| 関係法令 | 30分 | |
| 実技 | 硫化水素の濃度の測定方法 | 1時間 |
合計は3.5時間です(当サイトの合計)。
受講資格
受講資格は機関によって書き方が違います。東京労働基準協会連合会 安全衛生研修センターは「特に無し」、栃木県労働基準協会連合会は「特になし」、香川労働基準協会は「特にありません」としています。一方、愛知労働基準協会は「満18才以上」、建設業労働災害防止協会 大阪府支部は「満18歳以上」としています。年齢条件の法令上の根拠は確認できませんでした。
救急蘇生の方法の免除
日本赤十字社の救急法の講習を修了して救急員認定証を受けた人などは、技能講習の講習科目のうち救急そ生の方法の免除を受けられます(第2種は規程第6条、第1種は第3条の表)。機関ごとの扱いは次のとおりです。
- 東京労働基準協会連合会 安全衛生研修センター:一部免除(救急蘇生の免除)の区分があり、全科目25,410円に対して22,110円で、差は3,300円です(当サイトの差額)
- 愛知労働基準協会:日本赤十字社の「救急法救急員認定証」「救急法救急指導員証」を持つ人のみ適用
- 千葉県労働基準協会連合会:有効期限内の救急員認定証の写しを申込時に添付
修了試験の合格基準の例
千葉県労働基準協会連合会の案内では、学科試験は各科目40%以上かつ総合で60点以上、実技試験は80点以上が合格の基準です。これは規程ではなく機関の案内に書かれている基準です。栃木県労働基準協会連合会は学科終了後にマークシート形式の試験を行うとしています。受験者数や合格率は確認できませんでした。
修了証と講習の名称
技能講習の修了者には、講習を行った登録機関から修了証が交付されます。東京労働基準協会連合会 安全衛生研修センターでは、修了試験に合格すると原則として講習修了日に修了証(写真入りプラスチックカード)が交付されます。再交付は講習を受けた登録機関に、登録機関が分からない場合は都道府県労働局に問い合わせます。複数枚の修了証のうち、登録機関から情報提供があるものは技能講習修了証明書へ統合できます。修了証の有効期限や更新の制度については、厚生労働省のページに記載がなく確認できませんでした。
第2種酸素欠乏危険作業主任者技能講習は、平成16年4月1日以降「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習」と名称が変わりました。平成16年3月31日以前に第二種の講習を修了した人は、修了証の書替をする必要はありません。
受講料の相場
受講料は教習機関ごとに設定されています。2026年10月13日に確認した機関別の金額は次のとおりです(テキスト代込みの合計・税込)。
| 機関 | 合計 | 内訳 | 日数・時間 | 受講資格 |
|---|---|---|---|---|
| 香川労働基準協会 | 15,510円 | 受講料13,200円+テキスト代2,310円 | 2日間(学科と実技を同日にまとめる講習) | 特にありません |
| 愛知労働基準協会 | 17,910円 | 受講料15,600円+テキスト代2,310円 | 3日間(学科2日+実技1日) | 満18才以上 |
| 栃木県労働基準協会連合会 | 22,110円(当サイトの合計) | 受講料19,800円+テキスト代2,310円 | 3日間(計15時間30分) | 特になし |
| 千葉県労働基準協会連合会 | 22,110円(科目免除者18,810円) | 受講料19,800円+テキスト代2,310円(2026年6月開催分から) | 3日間 | 確認できなかった |
| 建設業労働災害防止協会 大阪府支部 | 25,145円(一般・会員) | 受講料23,000円+テキスト代2,145円 | 3日間 | 満18歳以上 |
| 東京労働基準協会連合会 安全衛生研修センター | 25,410円(一部免除22,110円) | 受講料23,100円+テキスト2,310円(令和8年9月1日現在) | 3日間 | 特に無し |
確認した範囲の幅は15,510〜25,410円です(当サイトの整理)。参考として、東京労働基準協会連合会 八王子支部の2024年度案内では受講料20,900円+テキスト2,310円=23,210円、三鷹支部の2023年3月案内では受講料20,900円(テキスト代別)でした。第1種(酸素欠乏危険作業主任者技能講習)だけの講習の料金・日程は確認できませんでした。日本クレーン協会の酸欠講習や名古屋南労働基準協会の独自ページも確認できていません。
学科のみで完結する作業主任者講習と比べると、東京労働基準協会連合会 安全衛生研修センターの料金表(令和8年9月1日現在)では有機溶剤作業主任者が17,050円、石綿作業主任者が16,940円で、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の25,410円のほうが高くなっています。正確な金額は開催地・会場・時期によって変動するため、申し込み前に登録教習機関のサイトで最新の日程と受講料を確認してください。
数字で見る酸素欠乏症・硫化水素中毒の労働災害
厚生労働省は毎年、酸素欠乏症等防止規則の対象となる作業で起きた休業4日以上の労働災害をまとめて公表しています。直近6年の件数は次のとおりです(被災者数は死亡者数を含む)。
| 年 | 酸素欠乏症 件数 | 被災者(うち死亡) | 硫化水素中毒 件数 | 被災者(うち死亡) |
|---|---|---|---|---|
| 2020年 | 10件 | 12人(8人) | 6件 | 9人(6人) |
| 2021年 | 3件 | 3人(2人) | 6件 | 6人(2人) |
| 2022年 | 4件 | 6人(5人) | 4件 | 5人(2人) |
| 2023年 | 3件 | 4人(4人) | 2件 | 2人(0人) |
| 2024年 | 2件 | 4人(1人) | 3件 | 4人(2人) |
| 2025年 | 2件 | 4人(3人) | 5件 | 10人(7人) |
件数そのものは年に数件ですが、被災した人のうち亡くなる人の割合が非常に高いのがこの災害の特徴です。2020年から2025年の6年間で、酸素欠乏症の被災者33人のうち23人、硫化水素中毒の被災者36人のうち19人が死亡しています(当サイト計算)。倒れた人を助けに入った人まで被災する事例もあり、2024年にはタンク内に入った労働者と救助に入った労働者の2人が硫化水素中毒で亡くなった事例が報告されています。
令和7年(2025年)の主な事例
厚生労働省の基安労発0807第1号の別紙には、次のような事例が載っています。
- 2025年3月・建設業(下水管の補修工事現場):下水管の通水試験に伴い流れてきた酸欠空気等により労働者が酸素欠乏症等にかかり、倒れた労働者を助けようとマンホール内に入った2名も同様に酸素欠乏症等にかかり死亡しました。
- 2025年5月・建設業:汚水処理施設水槽の中で点検を行う際、濃度測定を怠ったため急性硫化水素中毒になりました。
- 2025年8月・清掃・と畜業:下水道管の確認のためマンホール内に入った1名が硫化水素中毒で死亡し、救出するためにマンホール内に立ち入った3名も硫化水素中毒で死亡しました(死亡4人)。
登録教習機関数と修了者数
講習を行う登録教習機関は、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習が令和6年度で76機関、第1種にあたる酸素欠乏危険作業主任者技能講習は10機関です(厚生労働省「技能講習登録教習機関数」)。令和6年度の修了者は、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習が52,535人、酸素欠乏危険作業主任者技能講習(第1種)が813人です(厚生労働省「技能講習等の登録教習機関数及び修了者数」衛生関係)。第1種だけの講習を開いている機関は少なく、第2種の講習の修了者は第1種の作業の主任者にも選任できます(酸欠則第11条第1項)。
他の作業主任者資格との比較
労働安全衛生法にもとづく作業主任者は複数あり、講習の重さには差があります。公開情報から代表的な3資格を比較しました。受講料は東京労働基準協会連合会 安全衛生研修センター(令和8年9月1日現在)の料金表の金額です。有機溶剤・石綿の他機関の料金の幅は、それぞれの記事に載せています。
| 資格名 | 講習形式 | 時間数 | 日数 | 受講料(東京労基連 安全衛生研修センター) |
|---|---|---|---|---|
| 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者 | 学科+実技 | 15.5時間+試験(17.5時間前後) | 3日間(香川は2日間) | 25,410円 |
| 有機溶剤作業主任者 | 学科のみ | 規程12時間+機関の修了試験1時間 | 2日間 | 17,050円 |
| 石綿作業主任者 | 学科のみ | 規程10時間+修了試験1時間 | 2日間 | 16,940円 |
実技講習の有無が日数・受講料の差に直結しています。密閉空間での作業は事故発生時のリスクが特に高いため、応急処置や濃度測定を実際に体験させる実技が組み込まれていると考えられます。
特別教育との違い
酸素欠乏危険作業には、作業主任者の技能講習とは別に、作業に就く労働者向けの特別教育があります。
| 項目 | 作業主任者技能講習 | 特別教育 |
|---|---|---|
| 対象 | 作業主任者として選任される人(酸欠則第11条) | 作業に就かせる労働者(酸欠則第12条) |
| 行う人 | 登録教習機関 | 事業者 |
| 内容 | 学科・実技・修了試験 | 学科教育のみ(実技の規定なし) |
| 時間 | 第1種 12時間、第2種 15.5時間(試験時間を除く) | 第1種 4時間以上、第2種 5時間30分以上 |
特別教育は、第12条第1項で第一種酸素欠乏危険作業の業務に就かせる労働者について定められ、第2項で第二種に準用されています。第1種の学科は30分+30分+1時間+1時間+1時間で4時間以上です。第2種の5時間30分以上は科目時間を合計した当サイトの計算です。厚生労働省のページによると、外部機関が実施する特別教育は都道府県労働局の登録を受ける必要がありません。特別教育を受けただけでは作業主任者に選任できず、主任者は技能講習の修了者から選任します。
よくある質問
Q1. 受講資格はありますか
機関によって違います。東京労働基準協会連合会 安全衛生研修センター、栃木県労働基準協会連合会、香川労働基準協会は受講資格を「特になし」としていますが、愛知労働基準協会と建設業労働災害防止協会 大阪府支部は「満18歳以上」としています。テキストと試験は日本語(漢字を含む)で行われるため、日本語の読み書きに不安がある場合は事前に教習機関へ相談することをおすすめします。
Q2. 第1種の講習を受けた後に第2種相当の作業をすることはできますか
できません。第2種の作業(硫化水素中毒のおそれがある作業)を行うには、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了が必要です。第1種のみの講習修了では選任できません。なお、第1種の修了者が第2種の講習を受ける場合は、硫化水素に関する科目だけを受ける特例(計3.5時間)があります。
Q3. 石綿作業主任者などと比べて講習が重いのはなぜですか
学科に加えて応急処置や濃度測定の実技講習が組み込まれているためです。密閉空間での酸欠・中毒事故は急速に進行しやすく、実際の対応を体験しておく必要性が高いことが背景にあると考えられます。
Q4. 資格に有効期限はありますか
修了証の有効期限や更新の制度について、厚生労働省のページには記載がなく、確認できませんでした。「有効期限がない」と断定している公的な原文も確認できませんでした。
Q5. 修了試験の難易度は高いですか
受験者数や合格率は確認できませんでした。合格の基準の例として、千葉県労働基準協会連合会の案内では、学科試験は各科目40%以上かつ総合で60点以上、実技試験は80点以上とされています。基準は機関の案内によるものなので、受講する機関の案内を確認してください。
Q6. 講習はどこで受けられますか
都道府県労働局長の登録を受けた登録教習機関で受講できます。各都道府県の労働基準協会連合会などが定期的に開催しています。
Q7. 石綿作業主任者や有機溶剤作業主任者と併せて取得する意味はありますか
取り扱う現場の性質によります。解体・改修工事など複数の危険作業が重なる現場では、複数の作業主任者資格を持つ人材が重宝される場合があります。ただし選任はそれぞれの作業ごとに必要なため、資格を持っているだけで自動的に兼任できるわけではありません。
Q8. 日赤の救急員の資格があると講習が短くなりますか
日本赤十字社の救急法の講習を修了して救急員認定証を受けた人などは、講習科目のうち救急そ生の方法の免除を受けられます。東京労働基準協会連合会 安全衛生研修センターでは一部免除の受講料が22,110円で、全科目の25,410円より3,300円安くなります。千葉県労働基準協会連合会では有効期限内の認定証の写しが必要です。
Q9. 平成16年より前に第二種の講習を修了しました。修了証の書替は必要ですか
必要ありません。第2種酸素欠乏危険作業主任者技能講習は平成16年4月1日以降「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習」と名称が変わりましたが、平成16年3月31日以前に第二種の講習を修了した人の修了証書替は必要ないとされています。
まとめ
酸素欠乏危険作業主任者は、酸欠則第11条にもとづき、マンホールや下水道など密閉空間での作業で選任が義務付けられている資格です。作業を第1種(酸素欠乏)と第2種(酸素欠乏+硫化水素)に区分し、第2種の作業には酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了が必要です。学科に加えて実技講習があり、多くの機関で3日間、確認した範囲の受講料は15,510〜25,410円と、他の作業主任者講習より重めの構成になっている点が特徴です。
災害件数は厚生労働省「令和7年に発生した酸素欠乏症等の労働災害発生状況について」(基安労発0807第1号、令和8年8月7日)と令和6年分の同資料、登録教習機関数は厚生労働省「技能講習登録教習機関数」、選任と職務は酸素欠乏症等防止規則(e-Gov法令検索)、講習の科目と時間は東京労働基準協会連合会の講習案内で、2026年10月4日に確認しました。この記事の集計方針や出典の扱いについては、運営者情報ページにまとめています。
出典
- e-Gov法令検索「酸素欠乏症等防止規則」 https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/347M50002000042 (2026年10月13日確認)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」 https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/347CO0000000318 (2026年10月13日確認)
- 安全衛生情報センター「酸素欠乏危険作業主任者技能講習及び酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習規程」(昭和47年労働省告示第133号) https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-24/hor1-24-17-1-0.htm 、第2章 https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-24/hor1-24-17-2-0.htm (2026年10月13日確認)
- 安全衛生情報センター 同規程の表のページ https://www.jaish.gr.jp/horei/hor1-24/hor1-24-17-1-2.html ほか (2026年10月13日確認)
- 安全衛生情報センター「酸素欠乏危険作業特別教育規程」 https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-16/hor1-16-7-1-0.htm (2026年10月13日確認)
- 厚生労働省「令和7年に発生した酸素欠乏症等の労働災害発生状況について」(基安労発0807第1号) https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001734907.pdf (2026年10月13日確認)
- 厚生労働省 基安労発0808第1号(令和6年分) https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001537785.pdf (2026年10月13日確認)
- 厚生労働省「免許・資格・技能講習・特別教育など」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/roudoukijun/anzeneisei10/qualificaton_education.html (2026年10月13日確認)
- 厚生労働省「技能講習等の登録教習機関数及び修了者数」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62026.html (2026年10月13日確認)
- 東京労働基準協会連合会「酸欠・硫化水素主任者技能講習」 https://www.toukiren.or.jp/kousyu_04.html (2026年10月13日確認)
- 東京労働基準協会連合会「令和8年度 講習会料金表(令和8年9月1日現在)」 https://www.toukiren.or.jp/pdf/jukouryo_20260901.pdf (2026年10月13日確認)
- 東京労働基準協会連合会 八王子支部 2024年度案内 https://www.toukiren.or.jp/shibu/hachiouji/2024/kousyu/2024sanketsu.pdf (2026年10月13日確認)
- 愛知労働基準協会 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習 https://www.airouki.or.jp/course/skill/sanso.html (2026年10月13日確認)
- 栃木県労働基準協会連合会 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習 https://tochikiren.or.jp/pages/34/ (2026年10月13日確認)
- 千葉県労働基準協会連合会 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習 https://chibaroukiren.com/session/39/ (2026年10月13日確認)
- 建設業労働災害防止協会 大阪府支部 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習 https://www.kensaibo-osaka.jp/course/course_list/c109/ (2026年10月13日確認)
- 香川労働基準協会 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習 https://kagawa-rouki.or.jp/ (2026年10月13日確認)