IT未経験からインフラエンジニアや開発エンジニアを目指すとき、多くの人が最初に迷うのが「転職エージェントに相談するのが先か、資格の勉強を始めるのが先か」という順番です。勉強してからでないと相談しにくいと感じる人もいれば、何を勉強すればよいか分からないまま時間だけが過ぎてしまう人もいます。
この記事では、IT・Webエンジニア向けの転職支援サービス「ユニゾンキャリア」を例に、職業紹介サービスがどういう仕組みで動いているのかを、運営会社の公式サイトと利用規約の記載から整理します。あわせて、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の試験データをもとに、未経験者にとって資格がどんな位置づけになるかを考えます。対象は、IT業界の経験がなく、エンジニア職への転職を考え始めた人です。
この記事の結論
- ユニゾンキャリアは株式会社ユニゾン・テクノロジーが運営するIT・Web分野の転職支援サービスで、同社サイトの会社概要には有料職業紹介の番号「13-ユ-313348」が記載されている
- 公式サイトでは、求職者は無料で利用でき、運営費用は紹介先の企業から受け取っていると説明されている
- 同社自身の研修・学習コンテンツや資格取得支援の制度は、公式サイトでは確認できなかった。資格の勉強は自分で計画する前提で考えたほうがよい
- 当サイトの見方では、志望職種が決まっていない人は相談を先に、決まっている人は資格の勉強と並行して相談する順番が無理がない
ユニゾンキャリアの概要
ユニゾンキャリアの公式サイトは、トップページで「IT/Web専門の転職・就活エージェント」と名乗り、転職と就活(新卒向け)の2つの入口を設けています。この記事で扱うのは転職の側です。IT未経験者向けのページには「IT・Web業界が完全未経験でも理想の企業に出会えます」とあり、経験者向けを含む転職ページには「エンジニア経験・未経験 どちらも支援可能」と書かれています。
運営会社の基本情報
運営会社の情報は、ユニゾンキャリアのサイトにある「運営会社」ページと、株式会社ユニゾン・テクノロジーのコーポレートサイトで確認しました。
| 項目 | 公式サイトの記載 |
|---|---|
| 社名 | 株式会社ユニゾン・テクノロジー |
| 代表取締役 | 土肥 将司 |
| 設立 | 2021年1月6日 |
| 所在地 | 東京都渋谷区渋谷3丁目15番6号 並木橋ビル4F |
| 有料職業紹介 | 有料職業紹介番号:13-ユ-313348 |
| 労働者派遣 | 労働者派遣事業番号:派13-316491 |
2つの番号は、ユニゾンキャリアの運営会社ページとコーポレートサイトの両方に同じものが載っています。ただし当サイトでは、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」での照合はしていません。気になる人は同サイトで番号を検索してみてください。
会社概要の事業内容には、IT領域における人材紹介事業のほかに、情報システムやインフラの設計・開発事業、情報通信技術に関する教育事業なども並んでいます。システム開発の事業も持つ会社が人材紹介を行っている形です。
求職者の費用
IT未経験向けページのよくある質問には、「本当に無料で利用できるんですか?」という問いに対し、次の回答があります。
「完全無料で利用できます。運営に関わる費用はご紹介している企業さまから頂いておりますので安心してください!」
転職ページにもほぼ同じ文言があります。
利用の流れ:IT未経験向けページと転職ページの違い
公式サイトには利用の流れが2種類載っています。IT未経験向けのページは4段階、経験者も対象にした転職ページは6段階です。
| IT未経験向けページ(4段階) | 転職ページ(6段階) |
|---|---|
| 1 WEB面談 面談の事前準備はナシでOKと案内 |
Step1 Web面談 ヒアリング |
| 2 業界説明・求人紹介 IT業界の説明と希望に合わせた求人紹介 |
Step2 求人紹介 |
| 3 書類添削・面接対策 履歴書・職務経歴書の添削と、受ける企業に合わせた面接対策 |
Step3 書類添削 職務経歴書やスキルシートの添削 |
| Step4 面接対策 企業に合わせた面接対策 |
|
| 4 内定・入社前後サポート 入社日の調整や年収交渉など |
Step5 内定・年収交渉 |
| Step6 入社前入社後フォロー |
段階の数は違いますが、面談から入社後までをたどる点は同じです。違いが出ているのは2段階目で、未経験向けページだけが「業界説明」を求人紹介と並べています。IT業界の構造や職種の違いを知らない人を想定し、求人を見る前に業界の説明を挟む作りです。
一方、転職ページの書類添削には「スキルシート」という言葉が出てきます。スキルシートは、関わった案件や使った技術を並べる書類です。経験者向けの手続きを細かく分けたのが6段階、未経験者向けに業界理解を厚くしたのが4段階、と読むと違いがつかみやすくなります。
転職ページには「大量応募・同意なしの応募はしません」という約束も掲げられています。応募の判断を本人に残すという趣旨の記載です。
面談の方法
面談の方法について、IT未経験向けページのよくある質問は次のように答えています。
「オンライン面談を中心に、お電話・メール・LINEなどでもサポートを行っています。直接会って話したい!という方には対面での面談も実施しています。」
オンラインが基本で、電話・メール・LINEでの連絡もあり、希望すれば対面もできる、という書き方です。対面の面談を行う場所は、運営会社の所在地(東京都渋谷区)以外の記載を確認できなかったため、地方在住で対面を希望する人は事前に問い合わせてください。
在職中の人については、転職ページのよくある質問に「始業前や終業後のお時間に合わせて面談を組んでいきます」とあります。面談の準備は「特にございません」と書かれているので、職務経歴書が手元になくても最初の相談はできます。
公式サイトで確認できなかったこと
当サイトが公式サイトと利用規約を読んだ範囲で、次の点は確認できませんでした。
- 自社の研修・学習コンテンツ:未経験向けページには「IT未経験から成長できる研修制度が充実した優良企業への内定が叶えられます」とありますが、これは紹介先企業の研修の話です。ユニゾンキャリア自身が講座や教材を提供するという記載は見当たりませんでした。会社概要の事業内容に「情報通信技術に関する教育事業」はあるものの、転職支援の利用者向けの学習サービスとしての説明は確認できませんでした。
- 資格取得支援の制度:利用者のインタビューに、アドバイザーの助言で資格の勉強を始めたという個人の体験は載っています。ただ、制度として資格取得を支援する仕組みや費用補助の記載は確認できませんでした。
- 年齢・学歴・地域の条件:年齢の上限や対象地域の明文は見当たりませんでした。よくある質問には、学歴や経歴に自信がなくても大丈夫で、重要なのは「業界&職種の理解」だという回答があります。
このため、資格の勉強はサービス任せにせず、自分で計画を立てる前提で考えたほうが安全です。逆に言えば、相談の場は「何を勉強すればよいか」「その職種の求人で資格がどう見られるか」を聞く場として使えます。
職業紹介サービスの仕組み
ユニゾンキャリアの会社概要には「有料職業紹介番号:13-ユ-313348」が載っています。求職者に求人を紹介し、企業との間を取り持つ事業として番号を示したうえで運営している、ということです。
お金の流れについて、ユニゾンキャリアは先に引用したとおり「運営に関わる費用はご紹介している企業さまから頂いております」と説明しています。求職者からは受け取らず、求人を出す企業側から受け取る形です。企業から受け取る手数料の額や計算方法は、求職者向けのページには書かれていませんでした。
費用を企業側から受け取る以上、紹介される求人はその会社と取引のある企業の中から選ばれます。世の中の求人すべてを見せてもらえるわけではないので、求人サイトなど別の情報源も持っておくと判断の幅が広がります。
利用規約にも、この構造に関わる条文があります。
- 第19条:求人照合や推薦の判断について、結果がユーザーの希望や期待に沿うことを保証しないと定めています。第8条には、当社が求人への推薦を行わない場合があるとの記載があります。
- 第19条:労働条件は、ユーザーが自己の責任で利用企業に直接確認したうえで契約するものとし、当社が通知した労働条件が契約の詳細を最終的に保証するものではないとしています。
- 第20条:企業から通知された労働条件と、利用者から提供された情報との間に齟齬のおそれがある場合、企業に事実確認を行うことがあるとしています。
労働条件は内定後に自分で書面を確認する、というのが規約から読み取れる前提です。給与や勤務地、試用期間の条件は、紹介会社の説明だけで判断せず、企業が出す労働条件通知書で確かめてください。
なお、厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」では、情報処理・通信技術者の有効求人倍率(常用、パート除く)は1.48倍で、職業計の1.17倍を上回っていました。ただしこれはハローワーク経由の求人・求職の原数値で、民間の紹介会社が扱う求人は含みません。未経験者向けの求人に限った倍率でもない点に注意が必要です。
未経験から受ける資格の考え方
エンジニア職の資格は、大きくIPAの国家試験と、ネットワーク機器やOS、クラウドを提供する企業・団体が運営するベンダー資格に分かれます。未経験者にとっての位置づけを整理します。
IPAの試験:ITパスポートと基本情報技術者
IPAの試験区分一覧では、ITパスポート試験(IP)は「共通的知識(全ての社会人)」、基本情報技術者試験(FE)は「基本的知識・技能」の区分に置かれています。どちらもCBT方式で随時受験できます。
| 試験 | 令和7年度 応募者数 | 受験者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| ITパスポート | 307,266人 | 271,352人 | 48.6% |
| 情報セキュリティマネジメント | 50,226人 | 45,924人 | 70.0% |
| 基本情報技術者 | 172,217人 | 147,186人 | 38.3% |
出典:IPA 推移表(令和7年度、合格率は合格者数/受験者数)
ITパスポートは、IPAが「ITを利活用する全ての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき幅広い分野の総合的知識を問う国家試験」と説明している試験です。令和7年度は社会人応募者のうち非IT系企業の勤務者が179,995人で、IT系企業の40,715人を大きく上回っていました。エンジニア志望者に限らず、幅広い職種の人が受けている試験だということが分かります。受験手数料は7,500円(消費税込み)です。
基本情報技術者は、IPAの区分でエンジニアの「基本的知識・技能」を問う試験です。合格率は令和7年度で38.3%と、ITパスポートより低めでした。開発職やインフラ職を目指す人にとっては、ITパスポートより仕事に近い範囲を扱う試験と考えられます。
IPAはデジタルスキル標準のFAQで、ITパスポート試験について「合格のみでDSS-Lの全要件を網羅したとは断言できません」と答え、実務経験や継続的な学習も重視するよう求めています。資格は知識の証明であって、それだけで実務ができる証明にはならない、という前提はどの試験でも同じです。
ベンダー資格:CCNA・LPIC・AWS
インフラエンジニアを目指す場合、ネットワーク分野のCCNA、Linux分野のLPIC、クラウド分野のAWS認定といったベンダー資格がよく話題に上ります。IPAの試験が幅広い基礎知識を問うのに対し、ベンダー資格は特定の製品や技術領域に絞って扱うのが特徴です。志望する職種や配属先で使う技術に合わせて選ぶ資格と考えると整理しやすくなります。
受験料や試験内容は各運営団体が定めているので、受験前に公式サイトで確認してください。CCNAとLPICの違いはCCNAとLPICの比較、クラウドはAWS認定資格の解説で扱っています。
先に資格か、先に相談か
ここからは当サイトの見方です。公式情報から言えるのは、ユニゾンキャリアは面談に準備が要らないと案内しており、未経験向けの流れに業界説明が含まれている、ということです。一方で、資格の勉強を支える制度は確認できませんでした。この2点をもとに、立場別に順番を考えます。
| 今の状況 | 当サイトの見方 |
|---|---|
| 開発かインフラかも決まっていない | 相談を先にする。業界説明の段階で職種の違いを聞き、受ける資格を決めてから勉強を始めると、遠回りが減る |
| インフラ志望など方向が決まっている | 勉強と相談を並行する。CCNAやLPICの学習を始めつつ、求人で資格がどう扱われているかを面談で確かめる |
| 転職時期が1年以上先 | ITパスポートや基本情報の勉強を先に進め、時期が近づいてから相談する。紹介される求人は相談した時点のものになるため |
| 在職中で時間が限られる | 始業前や終業後の面談も案内されているので、まず短時間の相談で優先順位を整理する |
ユニゾンキャリアのよくある質問には、重要なのは学歴や経歴よりも「業界&職種の理解」だという回答がありました。資格の勉強はこの理解を深める手段にはなりますが、資格を取ってからでないと相談できないという書き方はされていません。
当サイトとして公式情報から読み取れる長所は、未経験者向けに業界説明を流れの中に置いていること、オンライン中心で地域を問わず相談しやすそうなこと、同意のない応募をしないと明記していることです。確認したい点は、紹介される求人の職種や地域の範囲、そして学習面の支援がどこまであるかです。これらは面談の場で直接聞くのが確実です。
未経験からの転職全体の進め方は未経験からITエンジニアに転職する方法で整理しています。
利用前に確認したいこと
登録の前に、利用規約と個人情報の取扱いの要点を押さえておきます。
- 個人情報の利用範囲:規約第24条では、氏名、住所、連絡先、学歴・職歴、応募情報などを、サービスの提供、求人照合、応募手続き、連絡・通知、統計的・分析的目的の範囲で利用するとしています。第三者(利用企業、業務委託先等)への提供目的は、求人情報の提供とマッチング、応募手続きの代行・連絡、法令に基づく開示請求への対応、匿名加工情報の作成です。
- 求人企業への提供:個人情報の取扱いのページには「ご本人様の同意に基づき、求人企業に提供します。」とあります。開示や訂正、利用停止などは問い合わせ窓口に申し出ることができます。
- 退会:規約第17条で、当社所定の方法で通知すれば退会し、登録を抹消できるとしています。具体的な方法は規約からは読み取れなかったため、必要になったら問い合わせて確認してください。
- 登録の抹消:第16条には、6か月以上利用がない場合や、連絡に30日間以上応答がない場合に、登録を抹消できるという定めがあります。
退会後の個人情報の扱いが気になる人は、規約の個人情報に関する条文(第24条)と個人情報の取扱いページを読み、退会の際に窓口で確かめておくと安心です。
相談先としての案内
IT業界の職種の違いを聞いたうえで受ける資格を決めたい人や、未経験向けの求人の傾向を知りたい人は、IT・Web分野の転職支援サービスに一度相談してみるのも一つの方法です。ユニゾンキャリアは、未経験向けの流れに業界説明を含めており、面談の事前準備は不要と案内しています。
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転職エージェントを比べるときの観点は転職エージェントの選び方にまとめています。学習の環境から整えたい人はプログラミングスクールの選び方も参考にしてください。
よくある質問
ユニゾンキャリアの利用に料金はかかりますか
公式サイトのよくある質問では、求職者は無料で利用でき、運営費用は紹介先の企業から受け取っていると説明されています。
資格がなくても相談できますか
資格を相談の条件とする記載は確認できませんでした。面談の準備は「特にございません」と案内されています。
ユニゾンキャリアで資格の勉強を教えてもらえますか
自社の講座や教材、資格取得支援の制度は、公式サイトでは確認できませんでした。利用者の体験談にアドバイザーの助言で資格の勉強を始めた例はありますが、個人の事例です。学習支援を期待する場合は面談で確かめてください。
地方に住んでいても利用できますか
対象地域の明文は確認できませんでした。面談はオンラインが中心で、電話・メール・LINEでもサポートしていると案内されています。紹介される求人の勤務地の範囲は、面談で確認してください。
未経験なら最初に受けるのはITパスポートと基本情報のどちらですか
ITパスポートは全ての社会人向けの総合的知識、基本情報技術者はエンジニアの基本的知識・技能を問う区分です。令和7年度の合格率はITパスポートが48.6%、基本情報が38.3%でした。エンジニア職を目指すことが決まっていれば、基本情報から始める選択もあります。
途中でやめたくなったら退会できますか
利用規約第17条で、当社所定の方法で通知すれば退会できると定められています。所定の方法は規約に書かれていないため、問い合わせ窓口で確認してください。
まとめ
- ユニゾンキャリアは株式会社ユニゾン・テクノロジー(2021年1月6日設立)が運営するIT・Web分野の転職支援サービス
- 会社概要に有料職業紹介の番号13-ユ-313348が記載され、求職者は無料、費用は紹介先の企業から受け取ると説明されている
- 未経験向けの流れは4段階で「業界説明」を含み、転職ページの流れは6段階で書類添削と面接対策を分けている
- 自社の研修・学習コンテンツ、資格取得支援の制度、年齢・地域の条件は公式サイトで確認できなかった
- 職種が決まっていない人は相談を先に、決まっている人は資格の勉強と相談を並行するのが当サイトの見方
ITパスポートや基本情報の詳しい内容はITパスポート試験の解説と基本情報技術者試験の解説で扱っています。
当サイトの運営方針や記事の作り方は運営者情報に掲載しています。
あわせて読みたい
- テックゴーとは?MyVisionが運営するITエンジニア向け転職支援の流れと、規約で確かめたいこと
- 未経験からITエンジニアに転職する方法
- ITパスポート試験の解説
- 基本情報技術者試験の解説
- CCNAとLPICの比較
- 転職エージェントの選び方
出典
- 株式会社ユニゾン・テクノロジー ユニゾンキャリア 公式サイト(トップ)
- 株式会社ユニゾン・テクノロジー ユニゾンキャリア IT/Webエンジニア専門の転職エージェント(IT未経験向けページ)
- 株式会社ユニゾン・テクノロジー ユニゾンキャリア 転職ページ
- 株式会社ユニゾン・テクノロジー ユニゾンキャリア 運営会社
- 株式会社ユニゾン・テクノロジー 会社概要(コーポレートサイト)
- 株式会社ユニゾン・テクノロジー ユニゾンキャリア 利用規約
- 株式会社ユニゾン・テクノロジー 個人情報の取扱いについて
- IPA 試験区分一覧
- IPA 推移表(平成21年度春期以降、xlsx)
- IPA 令和7年度「iパス(ITパスポート試験)」の年間応募者数等について
- IPA ITパスポート試験 試験概要
- 経済産業省・IPA デジタルスキル標準(DSS)策定の背景・目的
- 厚生労働省 一般職業紹介状況(令和8年8月分)について
- 厚生労働省 一般職業紹介状況 参考統計表(令和8年8月分、PDF)
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